豊かな思想と歴史を詰め込んだスタジオジブリの作品。
その中には99%の人々が気づかない、秘密の裏設定や小ネタが隠されています。
ジブリ作品は一見すると単なるアニメ映画のように見えます。しかし、深く掘り下げると、そこには数え切れないほどのサプライズが隠されていることに気付くでしょう。
ここでは、スタジオジブリ作品の中で見逃されがちな5つの小ネタを紹介します。ジブリファンやアニメ愛好家の方々にぜひ楽しんでいただければと思います。
さあ、ジブリワールドの奥深くに足を踏み入れてみましょう。
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1. あの名作に隠された真実:風の谷のナウシカの秘密
1984年公開の「風の谷のナウシカ」はジブリ作品の中でも特筆すべき名作とされています。厳密にはジブリが設立される前に生まれた作品ですが、その内容の深さと複雑さは、今ではジブリ作品の一部と言っても過言ではありません。
この作品の原作は、宮崎駿監督自身が手がけた漫画であり、アニメージュ誌に連載されていました。
映画では原作漫画の序盤部分が採用されましたが、映画版と原作は大きく異なります。
- 映画版と原作版の対照的なエンディング
映画版では、ナウシカと仲間たちが住む風の谷に大国であるトルメキアの大型輸送船が突如現れます。その輸送船の積荷はかつて「火の七日間」と呼ばれる災厄で世界を滅ぼしたとされる「巨神兵」の胚で、それを巡っての争いにナウシカたちが巻き込まれていきます。そして王蟲(オウム)を怒らせてしまったがために谷が滅ぼされる寸前にまでなってしまいますが、王蟲と心を通わせたナウシカが、王蟲の暴走を奇跡的に止め、世界に和解と平和をもたらすというストーリーです。
一方、原作版では、トルメキアが土鬼(ドルク)という国と敵対関係にあり、風の谷はトルメキアの属国だったという設定が存在します。そして、ナウシカも戦争に参加し、その戦争を通して腐海の真実を解明し、最終的にナウシカは世界の真実を胸に秘め、いつか滅亡する人類の未来を受け入れる結末が描かれています。
これは苦しみからの解放を描く映画版のハッピーエンドとは明らかに対照的なエンディングで、これが「バッドエンド」の伝説を生み出したのです。
- 本作の舞台が火星説!??ナウシカ達は小人説!???
これは、作中の環境が「錆とセラミックに覆われた世界」であり、火星の特徴そのものであるからということで浮上した説で、その複雑さから非常に興味深い解釈とされています。そして、ナウシカの乗り物メーヴェは構造上地球では飛行が困難とされていますが、重力が地球より弱い火星であれば理論的に飛べるとも言われており、これが火星説を裏付けています。
さらに、作中に登場する虫や植物の巨大さが、実は主人公たちが小人の種族で、巨神兵が通常の人間サイズだったという説も存在します。仮に小人だったとすれば、さっきのメーヴェの話も含めて、作中の様々な現象が科学的に説明できてしまう。という考察も存在します。
余談ですが、王蟲の鳴き声を担当したのはあの布袋寅泰さんでした。これらを踏まえて「風の谷のナウシカ」を再視聴すると新たな発見があるかもしれません。
こうした隠れた要素によって、ジブリ作品の奥深さが一層魅力的に感じられます。
以上のように、「風の谷のナウシカ」には意外な真実や驚きの裏設定が納められています。これらの事実を知ることで、作品への理解がさらに深まることでしょう。また、ジブリ作品の裏設定を知ることで、その作品がどのようなメッセージを伝えたかったのか、またそれがどのように視聴者に影響を与えたかについて、新たな視点を得ることができます。
2. ジブリのキャラクターが嫌われる理由?もののけ姫の裏話
「もののけ姫」の主人公、アシタカ。その魅力的な風貌と努力家な性格、そして男らしい強さは多くの人に感銘を与えました。ですが、それと同時に彼は一部の女性視聴者から「めちゃくちゃ嫌われている」との声が出ているのです。
なんと、彼は映画の最初にカヤという婚約者がいるにも関わらず、物語の最後にはサンに惚れてしまい、彼女に夢中になってしまいます。更にその後、呪いが解けた後も村に戻らず、ずっとサンと共に新たな道を歩むことを選びます。
このことから彼は「とんでもない不埒者」と批判されていますが、時代背景を理解してみると、一夫多妻制が当時の社会で許容されていたことが理解できます。その視点から見れば、アシタカはそれほど非難されるべき行動を取ったわけではないと言えます。
ちなみに、アシタカとカヤの関係についての考察も非常に興味深いものがあります。
カヤとアシタカの深夜の密会や婚約者に小刀を託すシーンなどから、二人が物理的に接していたという暗示があるといいます。そして、アシタカが呪いを解くために旅に出ると決まったとき、カヤは既にアシタカの子供を宿していたと解釈されています。
そして話は変わって、アシタカが宿病(呪い)に苦しみサンに看病されるシーンでも、アシタカとサンが同じベッドで眠っていたことが示唆されています。
この点について、制作の鈴木敏夫氏が宮崎駿監督に「2人はしたんですか?」と質問したところ、いつもなら何でもはっきり答える宮崎監督が、答えをはぐらかしたといいます。
アシタカが、二人の女性を愛するという構図は、当時の一夫多妻制が認められていた社会が背景にあります。現代社会の視点から見ると無理解に見えるかもしれませんが、映画が描き出す物語の中では必然性を持っています。
これらからわかることは、「もののけ姫」が描く登場人物たちの心情や行動には、その時代背景や文化、そして恋愛観が深く反映されていることです。その真実を理解することで、「アシタカの行動は理不尽」という評価も変わるかもしれませんね。
3. 意外なトリビア:魔女の宅急便とキキの物語
スタジオジブリは多数の優れた作品を生み出してきましたが、「魔女の宅急便」とキキの物語には少し意外なエピソードが隠されています。
本作は原作作者、エイコ・カドノの童話を映画化したもので、13歳の魔女キキが一人立ちするために町へと旅立つという物語が描かれています。彼女は魔女としての特技の一つである「飛行」を活かし、「魔女の宅急便」という宅配サービスを始めます。その生活の中で彼女はさまざまな人と出会い、成長していきます。
- 魔力を失ったキキの意外なエピソード
キキが魔力を失う原因については作中ではハッキリ語られず、風邪を引いていたり心に迷いがあったことから起こった、という解釈もありますが、実は別の考察も存在します。
それは、キキが少しずつ大人になり始め、女性としての体のサイクルが始まったから、というものです。
つまり、彼女が魔力を失ったのは’女の子の日’が訪れたからという解釈です。
- 宅急便に隠された秘密
スタジオジブリの制作費は膨大なものになるため、それまでのジブリ作品はどれも興行収入が10億円前後であったとしても、赤字が続出していました。ところが、一変したのが1989年公開の「魔女の宅急便」です。
なんとこの作品は、スタジオジブリ設立以来の初の黒字作品だったのです。
実はこの背後には、意外な理由があります。
宮﨑駿監督の意向により、もともとアニメ化の企画が立ち上がった際、ヤマト運輸の登録商標である「宅急便」という言葉が使われ、さらにこの作品での黒猫の登場を機にヤマト運輸がスポンサーについたのです。ポスターやコラボレーションなどで話題となり、全体の制作費を大きく削減することに成功したのです。
これらから学べるのは、出費を抑えつつもクオリティを追求し、さらにさまざまな世代に対応できる作品を作ることが、成功の鍵となるということです。
ある意味では、ジブリ作品の経済事情から見えてくるのは、クオリティの追求と経済的な成功の大切さという、映画制作の中で常に求められる難しい課題かもしれません。
4. 知られざる謎:「天空の城ラピュタ」の実際に放送された秘密のエンディング
スタジオジブリのファンであれば、誰もが一度は見たことがあるであろう名作「天空の城ラピュタ」。彼の冒険とロマンに満ちた世界観は多くの人々を虜にして、非常に高い評価を得ています。しかし、この愛される作品について、ある噂が存在しています。それは、「エンディングの後に放送された秘密のエンディング」と称される謎の映像についての噂です。
このエンディングの存在を信じる人々と、スタジオジブリの公式スタンスとは一線を画するこの謎。
ジブリ側は、これまで繰り返し否定してきました。「そんな映像を放送したことは一度もない」という彼らの立場は明確です。しかし、一部のファンからは「実際にそれを見た」という証言が絶えません。この二つの情報の間にある真実とは、一体何なのでしょうか?
その答えが明らかになったのは、「金曜ロードショー」で「ラピュタ」が放送されたときでした。
「金曜ロードショー」ではラピュタ放送時にスタッフロールの中にジブリが作成した絵コンテが用いられました。
そして、その絵コンテの一部が、その「秘密のエンディング」の元ネタとなった模様です。
一部のファンたちは、その絵コンテの1枚を「本物のラピュタのエンディング」と断定し、それがあたかも実際に放映されたものとして広めてしまったのです。
具体的には、放送されたというエンディングでは「パズーがシータを家に送り届ける」といったシーンの絵コンテが描かれていたとされており、この一部を見たファンたちがその存在を信じたのでしょう。
つまり、一部のファンたちが「秘密のエンディング」を見たと証言した原因とは、彼らがこの絵コンテの一部を本編の一部と誤解し、それを信じ続けた結果でした。
ネット上で探せばその絵コンテを見ることもできますので、ぜひ検索してみて、あなた自身にもその「秘密のエンディング」が存在するのか確かめてみてください。
5. 噂の真相:「ホタルの墓」のセイタと節子の現実のモデル
みなさんは、1988年公開の「ホタルの墓」をご覧になったことがありますか?
この映画は孤児となった兄妹、清太と節子が太平洋戦争末期の神戸で生き抜こうとする姿を描いた作品であり、その終わり方は多くの視聴者に深い衝撃を与えました。
- 清太と節子は幽霊!??
まず、清太と節子のキャラクターは原作者である野坂昭如先生とその妹がモデルだと言われています。
原作で節子は4歳とされていますが、実際の野坂先生の妹は当時1歳半の赤ちゃんでした。また、映画では清太が節子のために献身的に尽力する優しく理想的な兄として描かれていますが、野坂先生は戦時下の困難な環境で妹の世話をしている最中に、彼女を少しうとましく思っていたとされています。
そして、映画監督の高畑勲氏は彼らが「同じ体験を繰り返していくしかない」という言葉を残しています。
これは、セイタが妹の節子を守れなかったという深い後悔から、彼らの霊が神戸の地に留まり続け、永遠に42年前の回想を繰り返しているとの解釈がなされています。
過去の選択を後悔し、それが成仏できない霊となる。
そこには、清太が節子の命を救うために出来たことや、それが生じた結果についての深い後悔が見受けられます。清太が居心地の悪い親戚の家から逃げ出す選択をしたこと、そしてその結果節子が命を落としたのですから。
清太と節子の物語は、「ホタルの墓」以外にも野坂先生の別の作品「アメリカひじき」の中で引き継がれています。主人公の年男が清太ではないかという推測もあり、清太と節子が生き残り、さらに成長していたという希望を抱く視聴者もいます。
「ホタルの墓」は一見すると悲劇の物語に見えますが、視聴者に自分の周囲の人々との融和を教えてくれるメッセージを持つ作品でもあります。清太と節子の経験から学び、私たちは現在を生き抜く力を得ることが出来ます。
終わりに
これまでに様々なジブリ作品の知られざる裏設定や小ネタについてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
それぞれのキャラクターが持つ背景や意味、さらには制作側の苦悩や努力がこのようにして反映されていることが分かれば、今までとはまた違った視点でジブリ作品を楽しめるはずです。また、それぞれの作品に隠されたメッセージやテーマについても深く考える機会になったことでしょう。
しかし、ここまで紹介したものは、ジブリ作品に隠された裏設定や都市伝説の一部に過ぎません。まだまだ知られざる秘密が数多く存在します。ジブリ作品は観るたびに新たな発見があり、その深さには無限の可能性があることを、この記事が証明していると私は確信しています。
あなたもこれから新たなジブリ作品に出会う際や、再度観直す時には、是非ここでご紹介した裏設定や都市伝説を思い出してみてください。そしてまた新たな感動や発見を得ることができれば、それはまさにジブリの魅力が詰まった素晴らしい体験となるでしょう。
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それでは、今回はこれで終わりにさせていただきます。ご一緒いただき、本当にありがとうございました。